メッセージ

あなたはどんな医師になりたいですか?
人との出会いが
教えてくれるもの。

セミナー実行委員長・中澤 勇一

信州医療ワールド夏季セミナー
実行委員長
中澤 勇一 信州大学医学部
地域医療推進学教室
信州医師確保
総合支援センター
信州大学医学部分室

私が属する信州大学医学部医学科は、4月に一泊二日の日程で、美ヶ原王ケ頭ホテルにて、新入生合宿研修会を開催しています。この研修会は、新入生同志の親睦ならびに教員との親睦を深めることを目的としていますが、昨年度より第一日目のプログラムにグループに分かれてのグループワークを加えました。このグループワークでは、「私はこのような力を持つ医師になる!」をテーマに、模造紙のプロダクトを作成します。私たちが理想とし実践を目指している知識、技術、コミュニケーション力などの様々な臨床能力とともに、新入生からは以下のような「このような力」が出されていました。
~・安心感がある・柔軟性・向上心・謙虚・初心を忘れない・誠実・地域に貢献できる・感受性・患者さんを安心させる力・冷静な判断力・心も体も健康・自己研鑽・命の重さがわかる・誰でも平等に接する・挨拶ができる・笑顔で接する・清潔感のある・大変な時もやさしい・臨機応変・傾聴・患者さんの孤独がわかる・安心感・世界で活躍する・怒らない・逃げない・礼儀・視野の広さ・人間としての魅力・生涯現役・人間のつながりを意識できる・心のゆとり・日本語力・地域の人との協力・家族を大切にする・社会の変化に対して敏感・向・物事を俯瞰・面倒くさがらない・自己管理ができる・後輩を大事に出来る・諦めない心・偏見を持たない・常識人・常に心を豊かに・家族のことも大切に~
これらの「このような力」は、医療者から最も遠い医療者(医療者の卵)である 新入生だからこそ出てきたものでしょう。しかもこれらのことは、大学での座学で学ぶことが難しいという点で共通しています。ではどのようにしたら学ぶことが出来るのでしょうか。
フランスの思想家であるルソーの著した私教育論エミールの一節に「幼児はすばらしい模倣者である。偉大な人に会わなければ人間としての成長はない。」とあります。人間は多くの人と出会い、その人々の良いところ、悪いところを真似て成長して行く、言い換えれば、どのような人間になるかはどのような人々に出会ったかで決まる、ということでしょう。また、西野徳之先生は、ご自身の著書「良医となるための100の道標」(日経BP社)にこのように述べられています。「・・・・どんなに優秀な人でもすべてに秀でているわけではないんだ。
一方、ある部分で誰にも負けないっていう能力の持ち主もいっぱいいる。それが知識であったり、技術であったり、時には心であったりする。やさしさや包容力、リーダーシップ、快活さや癒しなどかもしれない。人は自分にないそうした能力に接した時に、自分の未熟さを痛感し、切望することがある。そして、その人に近づきたいと努力する時、人は少しずつ成長してゆく。だから、多くの人、いろいろな価値観を持つ人々に出逢うことが大切。―――中略―――、技術だけでなく、考え方もそうだよ。自分の見方や考え方というのは最初のうちはどうしても視野が狭い。それを広くしてゆくのはやはり出会いだよ。それが人でも本でもいいと思うんだ。・・・・」
この信州医療ワールド夏季セミナーが、皆さんにとって、人との出会いを通して学ぶことが出来る貴重な機会になれれば幸いです。